取り組み
ツールは無料で使えます。取り組みは、この教室が大切にしているものです。音楽をもっと自由にするための長期プロジェクトを、ひとつずつ、ここで公開しながら進めています。
取り組み 第1弾
パブリックドメインを守る
驚くほど多くの音楽が、すでにすべての人のものになっています。米国では、1931年より前に出版されたすべての楽曲と、1926年より前に発行されたすべての録音がパブリックドメインです。そして毎年元日には、そのどちらもさらに1年分が自由になります。けれども「すべての人のもの」であることと、「すべての人が実際に手にできる」ことは、まったく別の話です。こうした音楽の多くは、ストリーミングはできても保存はさせてくれないアーカイブや、表示が当てにならない一般ユーザーのアップロード、古くなっていく物理メディアに散らばっています。確かな複製が国立アーカイブのテープしかない録音もあります。
だから私たちは、それを集めたいと考えています。パブリックドメインの中で、本当に自由で権利上の問題がないものすべてを、検証し、記録し、2つのリストに分けて。
リスト1:自由に持っておける楽譜
誰もが許可も料金も細かい条件もなしに、ダウンロード、印刷、共有、再ホスト、編曲し、教材として使える楽譜です。「無料で閲覧できる」ではなく、自由に使い、再配布できるものです。
対象となるもの
- パブリックドメイン作品の当時の版。1931年より前に出版された実際の印刷譜です。米国法では、パブリックドメインの曲を組版し直しただけでは新たな著作権は生じませんが、現代の校訂版(原典版、運指、リアライゼーション、校訂注)には独自の著作権が生じることがあります。そのため、リストには現代の復刻ではなく、オリジナルの版を採用します。
- 編曲は、それ自体の年で判断します。編曲はそれ自体がひとつの作品です。1890年の Beethoven の編曲は自由に使えますが、1970年の民謡の合唱編曲は使えません。
- 外国作品への注意:1931年以降に国外で最初に出版された作品は、本国ではパブリックドメインでも、米国では著作権で保護されている場合があります。そのため、問題がないと証明されない限りリストには載せません。
- 自由なライセンスの現代の浄書譜。美しく組版され、機械で読み取れる楽譜で、作成者がパブリックドメイン(パブリックドメイン/CC0、または私たちが守れる表示のみのライセンス)に提供したものです。
まず手をつける予定の場所:
- IMSLP / ペトルッチ楽譜ライブラリー — 世界最大の楽譜アーカイブ。米国でパブリックドメインと表示されたファイルだけを採用します。
- OpenScore — 古典的なレパートリーを専門家が浄書したもので、CC0 で提供されています。条件はまったくありません。
- The Mutopia Project — 浄書し直したクラシックの楽譜で、すべてのファイルにライセンスが明記されています。
- CPDL / ChoralWiki — 共有されるために公開された、何万もの合唱譜。
- 米国議会図書館の楽譜コレクション — 「既知の制限なし」としてスキャンされた、歴史的なアメリカの楽譜。
- 一般ユーザーが「パブリックドメイン」と表示したコレクション(MuseScore 由来のデータセット、Internet Archive へのアップロード)— 見つけるためだけに使い、そのあと1曲ずつ検証します。その表示はあまりに頻繁に間違っているので、鵜呑みにはできません。
リスト2:自由に採譜できる録音
パブリックドメインにあり、問題なく保存、共有でき、そして私たちがいちばん大切にしている点として、楽譜に採譜できる録音です。劣化していくシェラック盤や、国立アーカイブでデジタル化されたテープとしてしか残っていない100年前の演奏は、災害がひとつ起きるたびに失われる危険にさらされています。同じ演奏をオープンで編集できる楽譜に採譜すれば、それはどこにでも複製でき、いつまでも修正でき、誰にでも演奏できる形の文化になります。譜面台に置ける保存です。
対象となるもの
- 録音:1926年より前に最初に発行されたもの。2047年まで毎年1月1日に、100年前の録音がさらに1年分開放されます。
- 曲そのもの:どのレコードにも、録音とその元になった楽曲という2つの著作権があり、採譜を左右するのは楽曲のほうです。採譜をリストに載せる前に、両方の層がパブリックドメインでなければなりません。
- トランスファー:元のディスクやシリンダーからそのまま忠実に移したトランスファー(米国の裁判所は新たな著作権を生じないと判断しています)か、明示的に公共に提供されたトランスファーをもとにします。レコード会社による現代のリマスターは決して使いません。
- 保護期間中のものは、一切扱いません。1926年以降に発行された録音はまだ連邦法の保護期間内にあり、権利者は、非営利のアーカイブに対してさえ権利を行使することを示してきました。私たちは境界線には近づきません。毎年元日に、境界線のほうがこちらへ動いてくるのを待ちます。
まず手をつける予定の場所:
- 米国議会図書館 Citizen DJ と National Jukebox — 連邦政府が管理する初期の録音で、パブリックドメインのセットはどんな用途にも自由に使えると明示されています。
- Internet Archive の78回転盤コレクション — 何十万ものディスクの未加工トランスファー。1926年より前の発行のものに厳しく絞り込みます。
- UCSB シリンダー・オーディオ・アーカイブ — 10,000本を超える蝋管で、ほぼすべてがパブリックドメインの録音。採譜の素材として理想的です。
- Musopen — クラシック作品の現代の録音を、あえてパブリックドメイン/CC0 で公開しています。
- UCSB の Discography of American Historical Recordings — どの録音もリストに載せる前に、発行日を検証するために使う資料です。
基本ルール
「誰も訴えられない」ことが、これらのリストの特長になります。それは運ではなく、規律から生まれます。
- すべてを年で区切る。楽曲は1931年より前、録音は1926年より前、編曲と版はそれぞれの年で判断します。この区切りは毎年1月1日に進むので、リストは増えていく一方です。
- 表示を信用せず、検証する。一般ユーザーのアップロードに付いた「パブリックドメイン」の表示、浄書し直した譜面にある出版社の著作権表示、未加工のトランスファーに対するアーカイブの権利主張。そのひとつひとつを、法律が実際に定めていることと照らし合わせます。
- 来歴を記録する。すべての項目に、どこから来たのか、いつ出版されたのか、なぜ自由に使えるのかを記録します。誰でもその主張を確かめられるように、そして証拠が音楽とともに伝わるように。
- 迷ったら載せない。パブリックドメインは広大です。境界線上のものに、使命を危険にさらす価値はありません。
このページは、この教室が米国法のもとでどのように素材を選ぶかを説明するものであり、あなた自身がこれらの資料を利用する際の法的助言ではありません。リストを公開したあと、表示が誤っていると思われる項目があれば swaco.llc@gmail.com までお知らせください。改めて検証します。
取り組み 第2弾
m3c:オープンソースの音楽
録音はバイナリです。そのソースを公開した人は、これまで誰もいません。オープンソース・ソフトウェアは、プログラマが編集する形を公開します。音楽は、ミュージシャンが編集する形、つまりセッション、ステム、テイクを一度も公開してきませんでした。m3c は、それを変えようという主張です。